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純血吸血鬼と混血吸血鬼と俺と動物園
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グウ〜…。
不意に由夏ちゃんのお腹がなった。
「お、お腹なっちゃった…」
「お昼にしようか」
後ろの気まずい空気を無視し、由夏ちゃんの手を引く。
芝生の広場へ向かい木影にレジャーシートを引く。
「さぁ、食べようか?」
城之内家のキッチンを借り、お弁当を作った。
日除けがわりにさしていた番傘をとじ、レジャーシートに正座する。
「わぁ!美味しそう!」
「ありがとう、先に食べてよう?」
「そうだね!あんなんだしね!」
気付いてたんだ…。
扇子をあおぎながら、お弁当をつまむ。
「桜紅さん様になるね!かっこいい!」
「そう?ありがとう!嬉しいよ」
あまりカッコイイとか言われたことないから新鮮だな。
「ビッチちゃん置いてくなんて酷くない?」
「すいませんね」
ルーシー来てから、次々と集まった。
「うまい!桜紅君うまいね!」
「ありがとう、そう言ってもらうと嬉しいよ」
秋人さんは口に次々とかきこむ。
「ハハハッ…!そんなにかきこまなくてもまだまだあるからゆっくり食べなよ?」
むせながら食べるその姿に吹いてしまった。
「うまいからついね…」
「なぁ〜んかビッチちゃんと城之内三子長男いい感じだねぇ」
「おい家畜不味いから調子のンなよ!」
なんなんだよこいつら!
「なら食べんなよ、どっか食いに行けば?」
マジムカつく!
「僕お菓子食べたい!」
「そこに入ってるよ」
「うわ〜!本当だ!桜紅大好き!」
春人はお菓子くれる人は大好きらしい。
「うわっ!」
声がする方を向いてみれば冬人の手はすごい汚れていた。
「何でそんな汚れるんだよ!ほら手ぇだせ」
ウエットティッシュで手を拭いてやる。
楽しい…いつぶりだろうこんなにも楽しいのは。
けれどこの後は息苦しいあの屋敷に帰るんだ
。
帰りたくない、コイツらと居たい。
楽しい時間は続かない。
それが現実だった。
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