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転校
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頭が痛い。
目がチカチカする。
俺の目がおかしくなったのか。
そして額に手を当て目を閉じてみる。
再び目を開けてみても 風景はいっこうに変わることはない。
俺の少し前を歩くこれから担任になる人がこっちを見て話しかけてきた。
「緊張しますか?」
その質問に「いえ大丈夫です」
と 素っ気なく答える。
相手は俺の扱いがわからなくなったのか 苦笑いをし 無言のまま 前を向き歩きだした。
外を見ると もう桜は散っていて葉桜になっていた。
今日から通うことになった 清水男子高校。
ここに通うことが決まったのは 1ヶ月前の話。
この学校 転校生を受け入れるのは"特例"だとか……?
だからなのか生徒達が興味本意で俺を一目見ようと始業前に学校に来ている。
ここだけの話 この学校の生徒は サボりや遅刻は当たり前なのだとか……
確かにここの学校の生徒の頭を見ると 赤、青、黄色、橙色、ピンク……etc
黒髪の奴が一人も見当たらない。
こんな学校があっていいのか!?
いや ダメだろ。。
流石に気になって目の前の担任である頼りなさそうな男子教師に声をかけてみる
「髪の毛が皆さんカラフル過ぎませんか?」
すると 苦笑いをし
「あぁ…あれは……追々わかることでしょう」
何が追々なのか!?
周りは不良と呼ばれるような見た目の人ばかり、
皆が皆 そういう格好なので誰も注意できないのだろうと心の中で納得した。
「仲良くなれそうですか?」
仲良く……いや どう考えても無理だろう。
「無理です」
きっちり制服を着こなし、眼鏡を掛け 肩より伸びた少しくせっ毛あるの黒髪の少年が答える。
唯一不良達に似たところがあるとすれば 髪の毛が普通の男子よりは長いところだろう。
まぁ 元々ここでは仲の良い人を作るつもりもないし、というか 髪の毛の色が派手な奴らと関わりたくないし、そんな友達、欲しくない。
「そんな事言わないで仲良くしてみてよ。話してみたら気が合う人とか見つかるかもしれないよ?」
俺は……と 話だそうとした瞬間、担任が立ち止まる。
「それでは 教室に入りましょうか」
笑顔を作り話しかけてくる担任に、今いおうと思った言葉を飲み込んだ。
「…はい」
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