アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
契約
-
真哉と呼ばれた人は扉の前から動かず、壁にもたれかかっていた。
穏やかな笑顔は崩れることなく顔に張り付いている。
しかし、彼の瞳はメガネのせいで隠れていて、真意を読み取ることができなかった。
「真哉」
命令するな彼の名を呼ぶ黒髪の声が響く。
それだけで汲み取ったのか、真哉は手にしていたノートパソコンを開き操作する。
「……紫乃霧くん」
名前を呼ばれ、唾をゴクリと飲んだ。
「"契約"をしよっか。」
穏やかな声で言われた言葉。
「契、約……?」
強制的に連れてこられ、何を話すかと思えば……
いきなり"契約"を交わそうだなんて
その前に"契約"とはなんなのか、説明をしてくれるのかと思いきや
「あっ、自己紹介してなかったね」
なんとも見当違いな答えが返ってきた。
「いや、そのま───「俺は山沢真哉(ヤマザワ シンヤ)。2年だよ。生徒会の役員で、担当は会計」」
いや、別に自己紹介とか求めてないし、、
それで俺も自己紹介をすべきなのか……?
「次っ!僕ちゃんね〜♪」
満面の笑みで声をあげる優司。
さっき教室で名乗ってたよな?
「僕はー!優司!!あっ!さっきも言ってたっけ?まぁいいや!僕も生徒会の役員なんだよ!凄いでしょっ♪♪会計補佐で〜紫乃霧くんと同じクラスっ!そしてそして〜実は前の席に座ってるんだよ〜♪知ってた〜?これからいっぱいお喋り出来るねぇ〜!」
……勢いが凄い。
圧倒される。。
なんか 中身が小学生っぽい。
「じゃあ、じゃあ 次はリュー君ね!」
おうふ。これは……全員の自己紹介を聞かなきゃいけないパティーンですか。
本題にはいつ入るんですか?(苦笑)
「ん?オレか?チッ…」
おーい。無理やり連れてきたくせに舌打ちすんなよ。
そんな舌打ちをした彼はブロンドの短髪に左耳にはピアス。そして首にはネックレスをし、暑いのかシャツの袖を無造作に捲りあげていた。
……うん。不良☆
「山沢 竜(ヤマザワ リュウ)。2年。書記。」
無気力。
そういえばコイツってさっきから周りに対して無関心だった。
あっ……でも俺をお姫様抱っこしてた時は、嫌がってる俺を見てイキイキと笑ってた。
楽しいことは好きだけど、そうじゃなかったら興味ないんだろうな。
「……何見てんだよメガネ」
「はぁ!?別にそんな見てないだろ!?───「まぁまぁ〜、仲良く仲良く〜」」
俺の喧嘩腰の声をゆるい声が止める。
そいつの方に目をやると、銀髪がニヤニヤと笑っていた。
「案外喧嘩っぱやいんだねぇ。俺の自己紹介聞かないつもり〜?」
紫煙が彼を包む。
……ていうか
「アンタ 高校生なんだから煙草吸うなよ」
「あぁん?これはタバコじゃねぇよ〜。今流行りの"電子タバコ"ってやつだよ〜」
「さっき普通に火つけてたくせに」
「……。あっ、そうそうっ!自己紹介してねぇな〜」
煙草を灰皿に押し付けた。
…何が"電子タバコ"だよ。
「名前は秋元 奏(アキモト カナデ)。ピッチピチの高校に2年生の、書記。好物は〜可愛い子♡」
にやり、彼は口角を上げる。
流し目が妙にフェロモンを発していた。
いや、それだけじゃない彼の妖艶な瞳も、括られているふんわりした銀色の髪も、仕草 全てまでも色気を纏っていた。
4人の自己紹介が終わり、後は目の前に座っている黒髪の彼。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
7 / 15