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「うわ、何だこいつ」
「おんなみてえ」
「何だその目?」
「変なの、化物みたい」
「おい、やめろよ、隆貴が怖がってるだろ。」
幼い頃の記憶。日系人の血を引いた俺とは違い、隆貴はヨーロッパ系のちを引いていた。
当然容姿は俺らと異なるわけでよくその容姿をネタにいじめられていた。
「なんだよ、士郎だってそう思ってるだろ。」
「思ってない、むしろ羨ましいだろ。青いめなんてかっけーじゃん。」
随分と懐かしい夢を見た。
昔は隆貴のほうが小柄で俺は体が大きな方だった。
引っ越して間もない隆貴をよくかばてっていた。
「まあもう昔なことだけどな。」
あのあと隆貴は俺といるようになったんだっけ。
ーーー今じゃ考えられないけど。
どっちかっていうのいじめられてんの俺だしな。
最近影口に加え、落書きや刃物が仕込まれてきたりとだんだんエスカレートしてる気がするし。
はあ、
もう一度、夢を思い浮かべる。
あの頃は純粋に友情しか持ってなかったと思う。
「一体いつから俺はりゅうきを」
好きだったんだ?
自覚したのは中学生だが、隆貴に惹かれたのはいつ?と聞かれるとわからない。
「どうしてこうなっちゃったんだろうな。」
「何がだ?」
「うわああああああああ」
ぬっと視界に入ってきたのは幼い頃から家族ぐるみで仲がいい橋本千里おにいさん。
俺は家事はからきしダメで朝にも弱いからこうしていつも起こしに来てもらってるんだけど、今日は珍しくお兄さんにおこしに来てもらう前に起きてしまってたから忘れてた。
「なんだようるせえな」
「せせせせせせ千里兄さん!!いつからそこに」
「いつからってさっきだよさっき。朝飯で来たからお前起こそうと思ったんだけどな、お前珍しく起きてて、明日はあめかっておもったぞ。でも、そしたらブツブツブツブツ自分の世界に入りやがって不審者みたいだったから、こえかけたらこれだ。」
ところどころ失礼な表現が入っているような気がしないでもなかったが、どうやら心配して声をかけてくれたらしい。
「おはよう、千里にいさん。」
「ん、おはよ。飯はできてるから俺はもう行くぞ。お前はどっかおかしいなら今日はやすめ、今テストもないんだろ。」
「うん、ありがと」
するとおれの頭をわしゃわしゃと撫でる。
「行ってくるわ、昼飯はいつものとこにあるから、学校行くなら忘れんなよ」
そう言って大学に行ってしまった。
「・・・・千里兄さん。結局どこから聞いてたんだろ?」
まさか寝言からきかれてたりして。
「俺、隆貴が好きだって暴露してないよな」
久しぶりに懐かしい夢を見たからまさかな・・・・・・
いや、言ってない、絶対言ってない。
もしもだ。もしも寝ぼけて、隆貴の事好きだとか言ってたとしても、兄さんはこの感情知らないわけだから、友達としてって思うだけだ!!
よしバレてない。
ここまでの結論を出すのに時間がかかってしまった。ふと時計を見る。
「うわ、遅刻する!!」
俺はせっかく作ってくれた朝食をろくに味わいもしないまま、寝癖も直さずに学校へ走った。
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