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「ちょっと士郎借りるね。」
「うわあ、ちょ、痛いって、隆貴。」
「お、おう」
おうじゃなくて助けろよ。
すがる目で学を見るが、
気づいてない
隆貴は更に勘に触ったのか、いらだちが増していくのがわかる。
なんなんだ。
隆貴はガシリと俺の腕をつかんでずんずん進んでゆく。
「おい、どこいくん「黙って」・・・・・はい」
逆らえなくて黙る。
ガララと音を立てて隆貴が開けたのは
クラスではなく空き教室だ。
なんでこんなところに
と思っている間に
後ろ手でドアを閉じられてしまった。
「・・・・・・・」
「・・・・・・・・」
二人の間に謎の沈黙が・・・・・・
お、おれどうすればいいんだ?
先に口を開いたのは隆貴だった。
「さっき、谷口と何してたの?」
問いただすような強い口調。
怒られているような感覚にビクリと体がこわばるのを感じる。
「なっ何って、話してて」
「士郎の顔、真っ赤だったけど。」
照れた顔を見られていたのか。
俺は羞恥心で再び顔が暑くなる。
「なんでまたそこで赤くなるの?
大体、なんで谷口のこと名前呼びにしたの。
昨日までは苗字読みだったよね?」
託したてられるような質問にたじろぎつつ、
「だって、は、恥ずかしくてええーと。
学が名字呼びだと距離を感じるって、いってて」
はあ、
正直に話したのに
なぜかためいきをつかれた。
え?今ので伝わったの?
でも、やっぱりかっこいいよな。
怖いくらい真剣な顔。
みんなが王子様っていうのがわかる・
今みたいな悩ましげな顔も
俺の贔屓目なしにも隆貴はかっこいいと思う。
ほんとに望ましいくらいに。
「士郎」
「なあに?」
名前を呼ばれて反射的に返した。
「・・・・・・・士郎の名前呼ばせるのも気に食わなかったのに今度は士郎になまえをよばせるなんてゆるせない。この上目遣いもどこか抜けてる性格も俺だけが知っていればいいのに。大体あいつは何なの。いつも士郎の周りをうろちょろして最近士郎もあいつになついてなついて俺には最近そっけないのに許せない、ゆるせない。」
何言ってんのか聞こえない。
俺のことを言っているのはなんとなくわかるんだけど・・・・
早口でぼそぼそと何かを言ったあと隆貴ははっきりという。
「もうあいつには近づかないで。」
「は?」
コンマ一秒の間はあっただろう。
「なんで」
「俺がやだから」
わかんない。
なんで俺が学に近づくと隆貴が嫌がるんだ。
俺と学は友達で、
学がいないと俺一人ぼっちなのに。
泣きそうになる。
「お、俺、」
「ん、何」
「学とは友達で」
「だから?」
「え、だからって」
「友達だから何?」
「友達だから、学とは一緒にいたいなあって、思ってて」
「へぇ」
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