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「へっ、」
なんで隆貴が謝るの?
悪いのは・・・・・・・・・俺、なのに。
隆貴にそんな顔をさせてしまっている。
「士郎・・・・・・俺士郎のこと」
キーンコーンカーンコーン
その時チャイム音がなった。
「!!」
俺はその音で我に返った。
この状況を思い返し、
お、男同士で何やってんだよ俺。
こんな状況でも俺の本心は喜んでる。
なんだかいたたまれなくなった。
ドンッ
「っ、」
隆貴の肩を押すと、不意をついたらしく、簡単に外れる。
「ご、ごめん、授業始まっちゃうからーーーー」
そう言って、俺は空き教室から、否、隆貴から逃げた。
だからわからなかった。
隆貴が悲しそうな顔をしていたことに。
授業は全くと言っていいほど頭に入らなかった。
考えるのは、隆貴のこと。
へんな別れ方しちゃったけど、授業、ちゃんと受けてるかな?
それとも傷ついて、落ち込んじゃったりなんか、いや、ないか。そもそも人気者の隆貴が俺なんかで悩むはずない。
そしてお昼休み。
俺は弁当箱を持って、隆貴に合わないように、非常階段を登る。
あの後だからな。
なんて言っていいのかわかんないし。
非常階段の踊り場は少し埃っぽいが、人の来る心配は殆ど無いと言っていい。
「ふぅ〜」
やっと一息つけた。
と同時の思う。
何やってんだろ俺。
隆貴を避けるなんて。
改めて自分の行動を思い出しても、サイテーのヒトコトしかない。
「・・・・・・・・・」
俺を親友と思ってる隆貴にこの気持ちを知られるわけにはいかない。
でも、この行動はいいとは言えない。
ーーーーー早く忘れなきゃ、こんな気持ち。
忘れて、あの頃に、
隆貴を親友と思ってたあの頃のように。
ただ笑い合って、隣にいて、
いずれ、お互い結婚するとき、祝福し合えるような、そんな仲に。
隆貴が望む関係に。
でも、どうすれば忘れられるのだろう。
もぐもぐとお弁当を食べながら思う。
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