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10、side学
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士郎の悩みをきいた、放課後の帰り道、士郎は早速水俣を誘ったようだ。
「・・・・・・なんでこいつがいるのかな。」
水俣は相変わらず爽やかな笑顔だったが、俺はびしっと背筋が凍りついた。
「ん?どうしたんだよ学?」
士郎、悪い、俺ほんと今、お前の悩み聞いてこんな提案したこと後悔してるわ。
横目で二人を見ると、
安心したように、水俣と話している、士郎と、取り巻きの女に向けるより、穏やかな顔をしている水俣。
ーーーーこれぜってぇ、りょうおもいだろ。
これだけ、甘い空気作っておいて、二人して気づいていないんだから、笑える。
「学?、話し聞いてた?」
「悪い、聞いてなかったわ。」
「もう、しっかりしてよ!!さっきからずっとぼうっとしてさ。」
「・・・・・・・・・」
それは俺のセリフじゃないのか?
俺がそれでも黙っていると、学?と今度は本当に心配そうにまゆを下げて、言う。
やべえ、士郎不安にさせちまった。
ほんとにちょっと考え事してただけなのによ。
「平気だって心配すんなよ。」
「もう、学っていつもそう言ってるよね。
それで後になって高熱で倒れたとか結構笑えないことになってたし。」
い、いつの話をしてんだよ。
おい水俣がこっちをじっと見てるし。
そんなことを思っているとふいに士郎が俺に顔を近づけ、
キス
ではなく、
額同士をくっつけた。
コツン
骨がぶつかる音がする。
「熱はないみたいだね。」
ゴーーーーーーーー。
なんでかな。
熱はないのに、全身に水を被ったような、この寒気は。
恐る恐る寒気の原因であろう人物を見る。
鬼がいた。
俺にはもはや、王子には見えねえ。
俺の中で、水俣は爽やかな王子様ではなく、
おもすぎる感情を持て余す、黒いオーラを放つ、鬼神にしか見えなかった。
「士郎、そんな奴とじゃなくて、俺と話して。」
「隆貴?」
気のせいじゃないよな。
この水俣の俺への絶対零度の目線は。
大体、士郎からがダメなら、水俣、お前から、言ってやればいいじゃねーかよ。
俺に対して無駄に牽制してないでさ!!
士郎ならゼッテー食いつくに決まってんのに!!
でも、心ではそう思っていても、実際には何も言えないので、(水俣の放つ空気がそうさせない。)
心の中で悪態をつくにとどめた。
俺は下校途中一瞬も休まる隙がなかった。
マジで寿命が今日だけで三年は縮んだわ。
顔が整ってる分、水俣は怒るとこえーよな。
俺は心の中でそう思った。
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