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「優、おはよ」
「おはよ、紫音!」
「前言ってた遊ぼっての、今日はどう?」
「え?!マジで?紫音バイト休みかよ!やった!!」
優が両手を挙げて喜ぶ。
もう店には出るなと言われたし、俺はクビ扱いといったところだろうか。
とりあえず優と遊んでから、海堂さんの家に顔だして、
礼だけ言って元の生活に戻ろうと思う。
海堂さんが嫌なわけじゃない。
迷惑をかけるのが嫌なだけだ。
***
「とりあえずカラオケ行って〜、そのあと俺のオススメの居酒屋行こうぜ!」
「そうだな、行くか」
今日の講義を全て終え、俺たちは高校の時に通いまくったカラオケに入った。
「なぁ、紫音。おまえ、本当に最近変わったよな。」
歌い始めて数時間、
お互い疲れたなと言って、歌うのをやめ、休憩をしていた。
「そう?」
「そうだよ!なんか色っぽくなったっていうか、なんだろ、これ。…………あ!わかった!さてはおまえ、童貞卒業したな?!」
「は?!してねぇよ」
童貞は卒業してないけど、処女は卒業した……。
なんて言えない。言えるわけがない。
「なーんだ。絶対あたりだと思ったのに!おまえもさっさと卒業しろよ〜?Ωだからとか思わずにさ、おまえはちゃんと人を幸せにする力あるだろ!
大体、この歳だったらさ、遊びでもいいわけじゃん?
歳食ったらそんなホイホイ女と遊べないぞ」
優は唐揚げを口に入れながらそう言った。
「まぁ、ほら。俺相手いないし。」
「何言ってんだよ!!おまえピザ屋のバイトでいい感じの人いたじゃん!!」
「三木さん?」
「そう!!三木さん!!めっちゃ綺麗だし、胸もデカイし最高な物件だろ?!」
「あー、三木さんはそんなんじゃないし。」
よく周りから言われていたけど、
多分三木さんは俺のことを好きとかそういうわけじゃない。
俺も好きとかそういうのではない。
第一、俺はもう女の子を抱ける気はしない。
「優、もうこの話やめ。居酒屋行こうぜ。」
「あ〜!もうこんな時間?じゃ、行こっか!今日は俺が奢ったる〜〜!!」
居酒屋は優が出してくれると言うので、
俺はせめてカラオケ代は出す、と会計を済ませた。
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