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《番外編》2人だけの湯けむり事件簿④
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***
そして週末、
天気は快晴!!
「わぁ〜〜!すげぇ〜〜っっ!!!」
新幹線に乗って3時間、
降りた先に広がったのは、真っ白な銀世界だった。
「紫音、こっちだ。」
「はーい!」
迷子にならないようにと繋がれた手は、
寒くならないようにと海堂さんのポケットに入れられた。
「なんか恋人みたいだね!」
「何言ってんだ。もう婚約してるだろうが」
「へへっ……///」
楽しい!ヤバイ!嬉しい!!
普段あまり積もらない雪も、場所によってはこんなに積もっているんだと感心しながら送迎バスを待つ。
海堂さんと旅行は初めてで、興奮冷めやらぬまま旅館に到着した。
***
「いらっしゃいませ、海堂様。お待ちしておりました。」
え?!何人いんの?!
旅館の入り口でビビるくらいの人数の従業員と、若女将、女将が頭を下げた。
「海堂さん、すごい綺麗な旅館だね!早く入ろ!」
「勿体無いお言葉ありがとうございます。
お部屋はこちらでございます」
「え?こっちじゃないの?!」
入り口に入らず、庭の方へ歩いて行く女将と海堂さんを訳もわからず追いかけると、
そこには2人で過ごすには十分すぎるほどの離れがあった。
「到着いたしました。お部屋には露天風呂もご用意させて頂いておりますが、本館の大浴場をご利用して頂いても構いません。
ご夕食は18時とお伺いしているので、その時間にお持ちいたします。
ごゆるりとお過ごしくださいませ。」
女将は綺麗な仕草で離れを出て行った。
「海堂さん、ここ2人だけ?」
「あぁ」
「高かったんじゃ…」
「別に。気にするほどのもんじゃない。それよりも…」
アワアワする俺を引き寄せて、耳元を低くて掠れた声が擽ぐる。
「2人だけなんだから、することたくさんあるだろう?」
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