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《番外編》make for you②
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「はぁ…、どうするか」
あの後優にスーパーに連れて行かれ、
「とりあえず今夜は超簡単なカレーからやってみなよ」
そう言われて、人参、じゃがいも、玉ねぎ、カレールーや肉など、優がどんどんカゴに入れていった。
材料はある。
海堂の家には調理器具も全部揃っている。
でも料理本にカレーの作り方が載っていないのだ。
困ったと思い、紫音は優にメールで伝えると、
【バカ!カレーくらい誰でも作れるからルーの箱の裏見ろ!!!】
そう書かれていて、箱の裏を見た。
【①材料を切る】
材料……、これだな。
ちゃんと材料を確認しながら、
人参やじゃがいも、玉ねぎをとりあえず洗ってまな板に置く。
紫音はよく、小さい頃からずっと一人暮らししてたんだから料理が上手いんじゃないかと思われる。
が、それは完全にただの偏見である。
むしろ元々不器用で、さらに誰にも料理を教えてもらう事のできない環境にいた紫音は、生まれてこのかた一度も料理をしたことがない。
調理実習?
あれは調理実習と、そして料理をしたと呼べるのだろうか。
紫音が包丁を振り下ろしたことから危険だと判断され、
調理実習がしばらく廃止されたのは小学校一番の黒歴史だったといえよう。
そして紫音は人参の皮をむいて、包丁を掲げた。
バンッッ
抑えずに叩きつけられた人参が吹っ飛んだのは言うまでもない。
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