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《番外編》愛しい君に永遠を④
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***
ガチャ
扉が開く。
俺は背筋をピッと伸ばして垂直にお辞儀した。
「いっ…、和泉紫音です!!!!海堂さんとお付き合いさせて頂いてます!!!!」
シンッ…と静まり返って、恐る恐る顔を上げると、
海堂さんのお母さんがワナワナと震えていて、
俺は殴られると思って目を閉じた。
「か、かわいい!!!!誠!!この子が紫音くんなの?!
まぁ!まぁまぁまぁ!!可愛い〜〜〜!!!ねぇ、あなた!!」
「ぁ、ぇ、まっ………!!〜〜〜〜っっ///」
「母さん!!!!」
身構えた衝撃とはまた別の意味の衝撃。
予想してたビンタやゲンコツなどは飛んで来ず、
代わりに柔らかい衝撃と甘い匂いに包まれた。
ーー
「母さん!!!!紫音に女を教えないでくれ!!!」
「あ〜ら、いいじゃないの。もう50になるおばさんなんて需要ないわよ」
「え…、50…??40歳手前くらいかと思ってた…」
「やーね!紫音ちゃん褒め上手!もう一回ギューーってしてあげましょうか?」
「母さん……、頼むからやめてくれ……。」
見た目30代後半くらいに見える海堂さんのお母さんはもう50歳手前だそうだ。
まぁたしかに海堂さんが今30歳だから、20で産んだとしても50歳…。
顔にシワも少ししか見当たらず、肌はまだツルッとしており、豊満な胸も垂れていることはない。
どこにこんな50歳がいるんだ…。
そして隣で終始無言な海堂さんのお父さん。
海堂さんを少し強面風にした感じの顔で、
海堂さんの顔が好みどストライクに変わってしまった俺にとっては、こちらもまたストライクゾーン。
お母さんはαらしいが、お父さんはβだそうで、駆け落ちして海堂さんを産んだらしい。
お母さんはよく話す人で、自分たちが苦しい恋愛をしてきたから、俺たちのことはちゃんと認めて幸せになってほしいと思ってくれているらしい。
お父さんは寡黙なのに、お母さんのことを優しい目で見つめたり、俺の出した茶菓子に「美味しい」と言ってくれたり、優しい人だと思った。
海堂さんはこんなに両親にも恵まれてたんだな、
と思うと俺の心も温まった。
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