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《番外編》lovin' you②
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純白のミニドレスの上にショールを羽織り、
タキシードを脱いだ海堂さんの隣を歩く。
「そのドレスは可愛らしいな」
「…………そうかな」
「おまえが可愛すぎて対応に困る」
車に着いて、海堂さんが助手席の扉を開いて俺の腰に手を回す。
そして俺が乗り込んだのを確認して、反対側へ回り運転席へ乗った。
海堂さんの車は黒のスポーツカーだ。
それも外車。
それもスイスイとスムーズなハンドルさばきで揺れを全然感じさせない。
一体どこまで完璧なのか。
俺はこんな完璧な人の妻になっても良かったのか。
そんな疑問を感じながら、外の変わりゆく景色と春の風を楽しんでいた。
「海堂さん、家はあっちじゃない?」
「まぁ着いてからのお楽しみとしよう」
景色を見ていると、明らかにあのでかいマンションから遠下がっており、そして車は閑静な高級住宅街へと入って行く。
そしてある一軒の、普通の家よりは少し大きいくらいの一軒家の前に車が止まった。
「誰かお知り合いのお家ですか?」
シートベルトを外され、ドアを開けて外に立つ海堂さんの横へと引っ張られた。
「表札を見てごらん?」
「…………え、どういうこと」
インターホンの隣にある表札には
【海堂】
と、そう書かれていた。
「前にあの部屋は落ち着かない。普通の家に住みたい。そう言ってただろう?」
「でもっ…」
「『でも』はいらない。誕生日プレゼントのつもりなんだが、受け取ってくれないのか?」
「え?!」
「これからここで暮らそう、紫音」
誕生日プレゼントが家だとか、
今まで住んでた部屋はどうするのだとか、
ツッコミたいことは他にも山ほどあったが、
俺の希望を絶対に叶えてくれるこの愛おしい旦那は、
どうやら俺を驚かせるのが大好きらしい。
「泣くなよ。俺が欲しいのはおまえの涙じゃないよ」
「ありがと……っ」
「あぁ」
涙を拭って笑顔で言うと、
それを待ってたとばかりに微笑んで、俺の頭に1つ、キスを落とした。
「入ろうか、新しい我が家へ」
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