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《番外編》ハネムーン体験記③
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「紫音、乗り換えだ」
いつの間にか眠りこけっていた俺は、誠さんの声にハッとして窓の外を見る。
もう空港に着陸しており、どうやら今はシンガポールにいるらしい。
6時間ほど眠っていたんだな。昨日あまり眠れなかったし、疲れも出たんだと思う。
モルディブまであと4時間半。次は誠さんと話したりしたいな……、なんて。
俺は誠さんに引かれて飛行機を降り、そしてモルディブ行きの飛行機にまた乗り込んだ。
誠さんはまたファーストクラスの席を取っていてくれた。
俺が窓側に座ると、誠さんは何故か隣ではなく向かい側に座ったため、少し寂しくなって窓から離れて誠さんの隣に座った。
「どうして隣座ってくれないんですか」
自分でもわかるほどブスッとした声で聞くと、誠さんは苦笑しながら俺の手を握った。
「おまえにいろいろちょっかいかけそうだからね。これでも自重してるんだよ」
さっきの飛行機での俺の拒否を少し気にしていたのか、申し訳なさそうな顔で言う誠さんに少し罪悪感を感じて、俺は誠さんにギュッと抱きついた。
「別に嫌じゃないです。その………、人がいなかったら俺も誠さんと触れてたいし………」
「それは反則だろ……。おまえは本当に可愛すぎて困る」
俺の頭にチュッチュとキスを落とし、俺の背中に手を回して抱きしめ返してくれた。
その後俺はずっと誠さんの膝に座ったまま、サービスを頼んでお菓子を食べたり、ワインを嗜んだ。
そうするとあっという間に4時間半がすぎ、窓の外には大きくて水色の、キラキラと輝く一面の海が広がった。
「誠さん!すごい!!きれ〜〜〜!!!!」
「あぁ。それと日本より暑いからな。倒れないように水分はちゃんと取れよ」
着陸して放送がなったのを確認し、俺は誠さんの手を引いて我先にと出口に向かった。
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