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《番外編》仮面の中身は④
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誠side
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入学式の日、帰ってきた麗音が聞き捨てならないことを俺に報告した。
『担任の羽柴先生がお母さんを見る目が気持ち悪かった』
紫音に何かあれば些細なことでも報告しろと言ったそばからこれだ。
また何か厄介ごとに巻き込まれなければいいが…。
そう思って警戒してはいたが、担任と保護者が関わることはそうそうなかった。
しかし、今日は家庭訪問だと聞いている。
もしまだその担任に下心が残っているなら、紫音と会わせるわけにはいかない。
でも今日に限って昼を跨ぐとても重要な会議が入っていて仕事を休むことができなかった。
俺は会議が終わった15時、後のことを要に任せてすぐに家へ車を回した。
家に着いたとき、中から紫音の悲鳴が聞こえた。
急いで家に入ると、まだ他人の靴があって、もう少し早く切り上げればよかったとリビングへ向かうと、紫音が手首を壁に押さえつけられ首筋を舐められていた。
威圧感を全面的に押し出し、胸ぐらを掴んで声を荒げただけで気絶したところを考えるに、相当メンタルが弱く、今まではのらりくらり面倒ごとを避けてきたのだろうなと伺えた。
糸が切れたように俺の腕の中で泣く紫音を落ち着かせながら、紫音を守ろうと頑張ったであろう麗音にお礼を言った。
疲れて寝てしまった紫音と麗音をベッドに横たわらせて、泡を吹いて気絶しているクソ教師の腹に思い切り蹴りを入れ、事情を話して警察につき渡した。
未遂だったからこそ教職の剥奪と就職不採用への根回しだけで済んだが、もし紫音を強姦していたら俺はこいつに何をしたかわからない。
もうこんな肝を冷やすようなことが起こらないようにと祈りながら、紫音と麗音の隣に背を預けた。
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