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《番外編》そうだ、京都へ行こう。②
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「ダウト」
「ええ〜〜〜!!!なんで麗音そんな強いの?!」
ご褒美付きのトランプゲーム、初戦はダウトだった。
みんな顔に「バレませんように」って書いてあるくらい表情に出ていて、僕はすぐに勝者の椅子を得た。
別に何もお願いしたいことなんてないなぁと思いながら、目をキラキラさせてこちらを見る女子から逃げるように、同じ部屋に泊まる男子に布団の位置を指定した。
広翼の布団は一番端、そしてその隣は僕。
これでなんとか夜の布団争奪戦は免れそうだ。
「次ババ抜きしようぜ〜」
「あ、いいよー!楽しそう!」
そして第二回戦、ババ抜きが始まったが、これもみんな顔に出ているので僕がすぐに勝ってしまった。
そしてみんなからはブーイングが起こる。
心理戦を持ってくると僕が勝つってなんで誰も気づかないんだろうか…。
「少し静かにして」とお願いして、まだ起きそうにない広翼を見つめながら髪の毛を梳いた。
広翼の可愛い寝顔なんてしょっちゅう見ているけど、やっぱり何度見ても可愛くて、幼稚園の頃の白雪姫の劇を思い出してしまう。
「みなさーん!もう少しで京都に着きますよー!忘れ物がないかしっかり確認しましょうね!」
先生の呼びかけがあり、みんなガサガサと荷物の整理を始めた。
広翼を椅子にもたれかからせて、自分の荷物と広翼の荷物を整理してから、到着する5分前に広翼を起こした。
「れぇくん……?」
「もう京都だよ」
「ん……、え?!もう?!」
「うん。気持ち良さそうに寝てたからそのまま寝かしておいた」
「ご、ごめん…」
申し訳なさそうな顔の広翼に「気にしないで」と声をかけて、到着した京都駅にぞろぞろと降りた。
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