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《番外編》そうだ、京都へ行こう。④
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バスは僕たちの宿泊する旅館へ向かうべく嵐山へと向かった。
紅葉が始まり、夕焼けに照らされた木々は赤く燃えるような色をしていて、小学生にでも伝わるほどの感動を与えてくれた。
旅館に着き、広翼の手を握ってバスを降りると、エントランスには『本日から2日間、紅夜学園一同様 貸切』との文字があった。
こんな老舗旅館を貸し切るところを見るに、本当にボンボンの集まった学校なんだなぁと改めて思った。
御座敷の大部屋に生徒全員が通され、そこで旅館でのマナーや部屋の説明を聞いてから、メンバーごとに分かれて部屋に向かった。
「うわ〜!広い!すごーーい!!」
広翼は嬉しそうにぴょんぴょんと跳ねていて、ルームメイトも感嘆の声をあげて部屋へ入った。
和室で2部屋繋がったこんな広い場所を4人で使えるのかと少し驚いた。
窓の外には嵐山の竹林や紅葉も見えて、風情が楽しめる贅沢な部屋である。
部屋の隅で荷物を整理していると、広翼が僕の隣にちょこんと座って一緒に荷物を整理しはじめた。
そして簡単に整理してまた他のルームメイトとはしゃぎ出した。
「ねぇ!れーくん、早くお風呂いこ〜!」
「あぁ、うん」
夕食の前に1組から順に大浴場の使用が許可されており、17時から17時半に僕たちは入らないといけない。
時計を見るとあと10分で17時になるので、たしかにそろそろ大浴場へ行かないといけないなと、着替えとお風呂セットを持って広翼と大浴場へ向かった。
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