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《番外編》卒業式①
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春の風が吹く今日、
麗音は紅夜学園初等部の卒業式を迎える。
「お母さん、変じゃない?」
「うん。かっこいいよ」
「よかった。じゃあ広翼迎えに行って学校行くから、また後でね」
「いってらっしゃい!気をつけてねー」
運動会からまた背の伸びた麗音は俺の身長を超えて、周りから見ればすっかりお兄さんだ。
小学生の卒業式だから私服ではあるが、誠さんが見立ててくれたカチッとしたスーツを着て、もうイケメンすぎて本当に心臓に悪い。
玄関まで麗音を見送ってリビングへ戻ると、仕事用とは違うオシャレなスーツを着た誠さんがネクタイを締めていた。
(あぁ、やっぱりこの人には敵わないや。)
どれだけ愛しい自分の息子でも、やっぱり誠さんだけには敵わない。
好きで好きで、大好きすぎて可笑しくなりそうなくらいこの人に溺れている。
もう40歳に近づいているというのに、誠さんにはドキドキさせられっぱなしだ。
麗音が初等部過程を終えることで、親が参加する行事もなくなり、俺が女装することもなくなるだろう。
最後になるかもしれないウィッグを被り、黒のセレモニースーツを着て誠さんと学校へ向かった。
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