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昼休み
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四時限目が終わり、昼休みとなった。朝綾が作ってくれた弁当と本を持ち、屋上へ行こうと席を立つ。
すると、綾が声をかけてきた。
「瑞貴〜、一緒食べよ」
「…他の人と食べなくていいの?」
「俺が瑞貴と食べたいからいいよ」
さらりと殺し文句を言ってくる綾。思わず寒気がした。
俺の存在は空気、そう言い聞かせて屋上へ向かう。
早歩きで歩いても、すぐ綾に追いつかれてしまった。
スラリと伸びた背、イケメンに入るであろう大人びた顔つき。
日焼けを知らない白い肌、股下の長い下半身。
どう見ても、俺とは釣り合わない。
何故、俺なんかを好きになったんだろう。そもそも、俺のどこを好きになったんだろう。
「分からない」
「?何が?」
ボソリと呟いただけでも反応する。まるで忠犬みたいだ。
「別に」
「あっ、そういえば瑞貴飴気づいた?ちゃんと食べた?」
「食べたよ。俺、綾の前で咳してないのになんで分かったの?」
「んー、愛の力?ってやつ」
「聞いた俺が馬鹿だった」
何が愛の力だ。愛の力で分かってたまるか。
愛の力で分かるなら俺が今考えてる事が分かるのか、分かるわけないだろう。
そんなひねくれた思考に入っていたら、屋上へ着いていた。
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