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サボり
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「……なーんてね」
唇から指を離すと、にっこりと笑った。また横を向くと、綾は目を閉じた。
少しして、ゆっくりとした寝息が聞こえてきた。まさか寝たのか。
「お、おい、綾」
「すぅー……」
人を散々からかっといて寝るとはどんな神経してサるんだ。
そんな時に、昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴った。
「ちょっ……綾、起きて、昼休み終わったからっ」
いくら揺すっても起きる気配がしない。サボりの共犯なんて絶対に嫌だ。
「んん〜………すぅー…すぅー…」
焦る俺を尻目に、一向に起きようとしない綾。気持ちよさそうに眠るその顔が今恨めしいぞ。
もう少しで授業が始まるチャイムが鳴ってしまう。必死に揺するが無駄だった。
授業が始まるチャイムが、鳴ってしまった。
「あー………もー、どうしてくれんだよ……」
人生初の、サボりをしてしまった。真面目に生きてたのに台無しだ。
でも、すやすと眠る綾を見て、少し憎たらしく、でも何故か許してしまって。
(もうなるようになれってか)
俺は太ももに綾を寝かせながら、本を手に取って読み始めた。
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