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帰り
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下校時刻、皆は一斉に席を立ちばらける。真っ直ぐに家に帰る人、友達と遊ぶ人、部活に行く人。
俺は日誌を書く為、教室に残る事にした。日誌係なんてものを押し付けられ、毎日残るのが日課な様なものだ。
「み〜ずきっ、帰ろ?」
「日誌残ってるから先帰ってていいよ」
「え〜、じゃあ待ってる」
「え〜って……二人で一緒に帰るの怪しまれるだろ」
「瑞貴は心配し過ぎだよ、一緒に帰ったって怪しまれないって」
そんな時、後方から女の子二人が近づいてきた。よく綾の近くにいる人達だ。
「ねぇねぇ綾君っ、一緒に帰ろぉ〜」
「近くに美味しいカフェがあるんだけど一緒に行かない?」
甘ったるい香水を振りまいて、猫なで声で話しかけてくる女子。
これだから俺はあまり女子が好きではない。
綾はどうするのだろう、とちらりと見る。
「ん〜カフェかぁ、行きたいけどほら、俺ダイエット中だから。今度また誘って?」
「ざんねぇ〜ん、じゃあカフェはまた今度にして、一緒に帰ろぉ?」
「私綾君と一緒に帰りたぁ〜い」
一人の女子が腕を絡ませ、強引に引っ張る。もう一人の女子も逃がさないと言わんばかりに絡ませ、胸を押し付けている。
いやもう見てるだけで十分。俺には関係無い話なので他所でやってくれ。
そう思ったのに、何故か胸が痛い。
別に何もしてない、悪いものなど食べてないのに、胸が痛い。
「?」
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