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俺が嫌いなもの
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手を繋いで帰った日から、どことなく意識し始めたり。
普通だけど、なんか普通じゃなくなった。
いや、接する態度とか話すのは普通。ただ、距離が近くなった気がする。
ちなみに今日は休日。家にのんびりと過ごせる有意義な日だ。
ソファに寝っ転がり、天井を見つめる。周りはシン、としていて一人なのを実感する。
綾はなんか用事があると言って昼ぐらいに出かけて行った。
別に寂しくは無いが、家に一人というのは静かだなと思う。
「別に……どうせ帰ってくるからいいだろ」
寂しくなんてない。頭を振り、本を開いて文字を追う。
「ん…………」
目を開くと、部屋の中が少し暗くなっていた。胸元に本が開いた状態で置いてある。
どうやら、いつの間にか寝てしまったようだ。昼頃になると、どうしてか眠くなる。
「よい、しょっと………って、雨降ってる!?」
外を見ると、ポツポツと音を立てて雨が降り始めていた。
ベランダに洗濯物が干してあるのを思い出して、急いで取りに行く。
幸い降り始めたばかりで、あまり濡れていなかった。
「ふぅ……そういえば綾のやつ、傘持ってったのか?」
あまりテレビを観ない為、天気予報などあまり知らない。
大抵お母さんが伝えてくれていたので困ることもあまり無かった。
雨が本降りになって、外が本格的に暗くなっていく。
まるで、雷が鳴りそうな…………。
「っ…………」
俺は、雷が嫌いだ。
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