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寝起きは危険
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「いや、ほんとごめん」
「未遂だったからいいけど、何が起きてたのか理解するのに時間かかる」
「俺ね〜寝起き酷くてさ、無理やり起こされると性格凄い悪くなるんだよ」
「はぁ」
「だから、んまぁ全部未遂だけど修学旅行とか雑に揺すられた時とか押し倒したりしてたらしい」
「マジかよ 」
被害者は俺だけじゃなかったという事だ。でもなんだろうこの気持ち。
腹立つとまではいかないが、なんかこう胸が痛い。
前にもこんな事があった気がする。
「手出さないって約束したのに、ほんとごめんね…」
「い、いや未遂だったから別に大丈夫だよ」
「……ほんとに、何もされなかった?」
「まぁ、特になんとも」
泣きそうな声で聞かれ、何故かこっちが辛くなる。
いや俺被害者だけど。
「とにかく、瑞貴が何もされてなくて良かった……俺ほんと寝起きは記憶無いからさ〜殴ってでも逃げて」
「こ、今度からは気をつけるよ」
女子を冷たく見下ろしたあの時とは違う、綾の瞳。
なんて言うか、獣みたいな感じだった。
目を離すと、食われてしまいそうな。
「あれ、もう7時?やばいね」
「晩御飯どうするの?」
「ん〜買い物行ってないしあるもので作るしか無いね」
いつも通りの綾にホッとする自分もいれば、少し残念な気もしている自分がいる。
穏やかじゃない、心が動かされる一日だった。
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