アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
嫉妬②
-
「俺以外の人にも、楽しそうに笑ってた」
「いや、だってそれは」
「あんまり、他の人に隙見せないでよ」
そう言って俺を見る綾は、泣きそうな顔をしていた。
辛そうで、今にも泣きそうで。
普段優しい綾だからこそ、怒る事も出来ないんだ。でも、俺は胸に何かが引っかかった。
それは、すんなりと言葉に出てきた。
「綾だって、女の子にくっつかれて嬉しそうにしないでよ…香水の匂いなんてつけないでよ」
立ち止まって言った台詞。迷う事なく口から出た言葉は、俺も驚いた。
「瑞、き……?」
「……………?………………」
綾のキョトンとした顔に、俺も首を傾げる。しばらく自分の言った言葉を頭の中で思い出す。
今俺が言った言葉は、まさに。
「瑞貴……それって嫉」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
顔が真っ赤になって、まるでトマト。それ位の羞恥に駆られ、走り出す。
大声を上げ、何も聴こえないように全力疾走。
有り得ない。こんなこと絶対に有り得ないと思ってたのに。
(俺が、嫉妬だなんて)
やだやだ、こんなの認めない。本格的に、俺は綾を好きになっている。
優しくされて、嫉妬されて、嬉しく思う自分がいて。
こんなにも感情を動かされるなんて。
「俺っ……どうしたらいいんだよぉぉぉぉぉ」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
35 / 227