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恋とは一体③
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俺は、初めて灯架の真剣な顔を見たかもしれない。いつもは下ばかり向く目が、俺を見ている。
灯架は知っているのだろうか。恋人と友達の違い。
「ちゃんと、違うところはあるよ。
恋人と友達の違いは、「好き」の気持ちだよ」
「好き?友達でも、好きとかあるじゃん」
「友達だの「好き」は、もし離れてもまたくっつける優しい「好き」、恋人としての「好き」は、そんなもんじゃないんだよ。
その人を見る度心臓がドキドキして、顔が熱くなったり、その人が他の人と一緒にいたり笑ってたりすると、胸がギュッて痛くなってあの場所にいたいとか思ったり。
「好き」の言葉でも、愛の重さが違うんだ」
「っ………………」
灯架の言葉は、何処か胸に突き刺さったような感じがした。
自分でも気づかない胸の奥を当てられ痛くなる感じと、胸に空いていた隙間をすっぽりと埋められたような感じ。
そうか。俺は、怖かったんだ。
もしも綾と恋人同士になれたとしても、離れる日が来るかもしれない。
同性で周りから批判されるかもしれない。
綾が傷つくかもしれない
そんな時、もし綾が俺から離れてしまったら。
俺にはそれが一番怖かった。
「ご、ごめんっ、なんか偉そうに喋っちゃって……ほぼ、俺なりの考えなんだけど」
「いいよ、灯架。ありがとう、俺気付いたから」
「え……?」
「自分の気持ちから逃げてたっぽい。でも、灯架に言われて気づけたから」
「瑞貴君……俺の言葉で気づいてもらえたなら、良かった」
「それにしても、考えとはいえどそこまで言えるって凄くないか?」
「!?えぇえいいや別にっ、ほぼ推測だし褒められることなんてほぼしてないしてない!!」
やっぱりいつもの灯架だった。
でも、灯架のおかげで俺は自分の本当の気持ちに気づけた。
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