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話がしたいのに
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今日は話をしようと、日誌も早く書き終え綾に声をかけようとする。
しかし、女子が綾の周りを囲んでいて近づけない。
「あ、綾っ………」
「ねぇねぇ綾君一緒に帰ろ〜私帰り道一人なの〜」
「あっずるぅ〜い、私も一緒に帰りたい〜」
「皆抜け駆け禁止ぃ〜っ」
恐るべし女子。目が笑っていない。
でもまずそのキツイ香水をどうにかした方がいいと思う。
「…………ごめん、俺今日用事あるんだ」
(え………?)
綾はそう言って、女子と女子の間を抜けていく。綾は俺の姿を見つけると、近づいてきた。
「あ、綾……」
「ごめん、今日はちょっと帰れない。冷蔵庫に何かしら作ったやつ入ってると思うからそれ食べて」
綾は俺の耳元にそう呟くと、教室を出ていった。
用事は逃れるための供述では無かったらしい。でも俺が一番怖かったのは。
もしかして、避けられてる………?
気持ちを伝えようとしたのに、まさかの結果だ。
自分が逃げていた代償なのかもしれない。
でも、ここで逃げてしまってはどうしようもない。
今、綾が俺を嫌いになっても。
俺の心を、ちゃんと伝えたい。
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