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寂しい
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その日は、一人で家に帰り一人で御飯を食べた。一人という空間は、とても寒かった。
誰もいない部屋が今まで好きだったのに。何故か今はとても寒く、淋しく感じる。
人一人がいないだけで、こんなにも広く感じるなんて。
思わず涙が出そうになったけど、我慢強く泣かなかった。
ベッドに入るも中々寝付けず、起き上がってリビングへと向かう。
牛乳を温め、ココアの粉を入れてかき混ぜる。口に含むと、ほんのりとした甘さがした。
両手でカップを持ち、窓の外を見つめる。空には星いっぱいの綺麗な夜空。
「綾…………」
一人が寂しいなんて、今まで思わなかったのに。
こんなにも、胸が苦しくなることなんて無かったのに。
全部全部、綾のせいだ。綾と出会って、綾に告白され、同棲をしてこんなにも振りまわされて。
初めてだよ、こんなの。
責任取ってよ。こんだけ人を振り回しといていなくなるなんて止めてよ。
「寂しいよ………」
一人にしないでよ。
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