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気づいたら
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結局寝付けず、布団の中にくるまっていたら朝になっていた。
睡眠の取れていない頭はあまり働かず、外を眺めぼーっとする。
重たい身体を動かし、ベッドから出る。足から伝わる床の冷たさに、少しだけ目が覚めた。
隣のベッドを見るけど、誰もいない。そう思ったら、胸が痛くなった。
今日は学校が休日になっている。だから俺は、家に一人ぼっち。
どうせなら、学校に行きたいと今は思う。一人ぼっちで寂しくなるより、誰かと今は話していたい。
灯架に会いたい、とはまた別だが、灯架と話していたい。
何かをして紛らわしたい。でも、本を読んでも頭に入ってこないのなら人の話なんてちゃんと聞かないだろう。
「いつ帰ってくるんだろ………」
あまり使う事の無いスマホを触れるが、そこには連絡先など入ってない。
前もって交換しとけば良かったと後悔する。
家にいても憂鬱になるだけな気がする。何処かに出かけようかな。
「そういえば、あの人の新刊買ってないや……買いに行かなきゃ」
買っていない小説を思い出し、本屋へ行こうと立ち上がる。
何を読んでも今は頭に入らないが、せめて買っておきたい。
「…………行ってきます」
誰もいない部屋に言って、外に出た。
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