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ごめん
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学校には少し遅れて登校した。息苦しいのが治まらず少し駅で休んだ。
昼休み、灯架は来なかった。探したけど、どこにもいなくて。
会えなくて良かったのかもしれない。
まだ、会ったところで気持ちの整理はついてないのだから。
「み〜ずき、帰ろ」
「っ、さ、先に帰ってていいよ」
「んじゃ俺待ってるよ、それに今日なんか暗いし…」
「何でもないよ…普通」
見れない。
綾の目を見て、話せない。
「………瑞貴」
「っ!?」
顎を掴まれ、上を向かされる。
驚くのもつかの間、綾の顔が目いっぱいに映る。
唇に温かい感触が触れ、キスされたと分かる。
「やっ……」
綾の肩を手で押し返し、反動で床に倒れてしまう。口元を手で抑え、肩を震わせる。
違う。綾を拒んだ訳じゃない。キスが嫌なんじゃない。
否定しようとしても、上手く息が出来なくて言葉が出ない。
苦しくて胸が押し潰されそうで、涙がボロボロと零れる。
「ごめっ、ごめんっ、ごめん」
「瑞貴落ち着いて、大丈夫?」
綾が駆け寄ってきて、肩に触れる。俺を抱きしめると、背中を優しく撫でた。
「落ち着いて、深呼吸深呼吸」
「げほっ、は…っ、ごめっ」
「謝らなくて大丈夫だよ。吸って〜吐いて〜」
肩に顔を埋めるような状態。鼻いっぱいに綾の匂いがして、落ち着く。
それと同時に、胸のしめつけが強くなって苦しい。
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