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体育祭③
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「お願い?」
「うん、お願い一つだけ」
「良いけど……お前一番なんて取れんの?陸上部とかに勝てる訳無かろう」
「なんでそんなこと言うのさ〜俺絶対一番取るから」
「ん〜…とりあえず分かった。頑張れよ」
「絶対一番取る」
そして、体育祭に向けての練習が始まった。
「じゃあ、せーので行くよ」
「う、うん」
「せーのっ」
踏み出した脚が右で灯架も右、脚が揃わず思いっきり前のめりになってコケた。
「うわぁあっ…………いってぇ……」
「あぁああ瑞貴君大丈夫!?ごめん、俺のせいでほんとごめんね!!」
「大丈夫……いてて、血出てる」
「保健室行く?」
「絆創膏あるし傷も大きくないから平気。とりあえず洗ってくるね」
結んでた布を外し、近くの水道へと歩く。大きくないと言ったが結構血が出てる。
練習中は長ズボンでも履こうかな……まくっときゃ何とかなるだろう。
辺りを見渡すとリレーでバトンの練習をする人、応援合戦の練習をする人など校庭は賑わっていた。
あまりこういう雰囲気が得意でも無いため、少しだけ気が滅入る。
鉄棒があるとこに、綾がいた。やっぱり女子に囲まれていて大変だと思った。
大方差し入れを持ってきたのだろう。タオルや飲み物を渡そうと意気込む女子がいる。
「綾君お疲れ様ぁ〜、はいこれっ特製ドリンクっ」
「綾君汗かいたでしょ?はいこれ使ってぇ〜」
「ちょっとぉ〜皆抜けがけ禁止ぃ〜」
「それアンタもでしょぉ〜」
言葉は柔らかいのに目は笑ってない。女子って怖い。
あきらかに絶対運動しようと思えない髪型だし、やる気ないな。
そう言えば、お願いって一体なんだろう。あの後結局教えてくれなかった。
まぁ一番を取るなんて意気込んでるし、取ったらちゃんと聞いてやろう。
「瑞貴く〜ん、大丈夫〜?」
「今行く〜!」
絆創膏を貼り、灯架の元へと走った。
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