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体育祭⑥
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「…………」
瑞貴が必死にパンに食らいついているのを、じっと見つめる人がいた。
そうです俺です綾です。
リレーの休憩中、辺りを見渡すと瑞貴がパン食い競争の練習をしてた。
隣に灯架君がいるのがちょっと気になるけど、今日も可愛い。
半袖に裾をまくった長ズボンというちょっとアンバランスだけど瑞貴だから全然似合う。
瑞貴は俺より少しだけ小さくて小柄だから後ろから見るとほんとに華奢に見える。
多分、人混みにいたら見つけられなくなるかもしれないけど、俺は絶対見つけられる。
説明が終わった後、パンの位置に立つと兎みたいにぴょんぴょんと飛び始めた。
男子は高めに作られているため、瑞貴の身長じゃちょっと届かないらしい。
(何あの可愛い生き物……)
必死にジャンプするが、パンに届かない。口を小さく開けて飛ぶ姿は遠くからでも分かる。
とにかく可愛い。
何度挑戦しても届かないのか、飛ぶのを止めた。しばらく考え込むと、少し勢いをつけて飛んだ。
しかし、パンに届くことは無く足を滑らせたのか後ろに転倒してしまった。
尻もちをついたのか、尻を痛そうにさすっている。
(助けに行ってあげたいけど、今この状態……)
「綾君て足速いねぇ〜、私すっごくドキドキしちゃったぁ」
「綾君疲れたでしょぉ〜?冷えピタとかあるよぉ?」
「ちょっと皆抜けがけずるぃ〜」
「アンタも抜けがけしてるじゃぁ〜ん」
この女子達はちゃんと練習してるのかな…。髪の毛とかセットまでしてあって走るのには向いてない。
しかもメイクもバッチリだし絶対汗かく気ないな。
「え〜と、皆競技練習は?」
「私玉入れだけど本番頑張るから大丈夫だよぉ」
「私もリレーだけど足速いから平気平気ぃ〜」
「うーん、でも本番に一気に頑張ると怪我しちゃうからちゃんと練習しよ?
俺皆の頑張ってるとこ見たいな〜」
「え、ほんと!?私玉入れ練習してくる!!」
「リレー一番取るから!!綾君ちゃんと見ててね!!」
「あっ、私も!!」
「ちゃんと頑張るからご褒美ちょうだいね!!」
女子って凄い。
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