アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
パン食い競走話②
-
衣装は体操着も脱いで着るらしく、衣装が置いてある箱の前には衣装替えの部屋が設置してあった。
俺はそこに駆け込み、服を脱ぐ。恐る恐るその衣装に腕を通した。
「ぐっ…………」
本当は出たくないが、出なきゃ走れない。
思い切って、カーテンを開けた。
「えっ何あの子………」
「やばい……めちゃくちゃ可愛いんだけど!?」
俺の衣装は半袖のセーラー服に黒髪ロングのカツラ。
何故かうさ耳と尻尾付きであった。
「なんでっ、俺がこんな………」
とにかく走らなければ。恥ずかしさを振り切って走り出した。
体操着を全部脱いでしまって中はパンツ一枚の状態。
走る度にスカートが動いて股に風が通る。この感じとても嫌だ。
丈が短くて腹が見えるが今はそんなの気にしてられない。
足が痛い。
「アイツ誰だよ、女?」
「にしてはガタイ大きくね?」
「いやでもめちゃくちゃ可愛いよ、あんな子いた?」
「ううん知らない」
周りの生徒がヒソヒソと話しているがよく聞こえない。
いやどうせ似合わないとか言ってるだけだ、気にしない。
パン食いの位置に辿り着き、目の前にあるパンを見つける。
実は練習の時、一回もパンを取れなかった訳で。
このまま走って飛べばいけるんじゃないか、と試みる。
しかし、そうも早くは走れない。
「ぐっ……!!」
助走をつけ、飛ぶ。
「えっ、待ってなにあれめちゃくちゃ可愛い」
「ウサギちゃんが飛んでるみたい〜」
「俺、今軽く勃ったかも……」
「はっ!?お前キモッ!!」
必死に飛び跳ねるも、届かない。周りが見てるのに歯にすら届かないなんて悲しすぎる。
一方、ゴールの方ではカメラを持った綾が肩を震わせていた。
「瑞貴………めちゃくちゃ可愛いんだけど……」
その後結局取れず、タイムアウトとして最下位だった。
なんか皆の目線が怖かったけど、何だったんだろう。
綾には何故か怒られた、可愛く跳ねないでと。
いや理不尽。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
88 / 227