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俺だけ見てて?
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「え……」
「てか俺そんな女子と付き合った事無いよ?皆怖かったし、付き合っても周りの女子がその子苛めて別れたって事多かったし」
「た、確かに」
「だから、俺は瑞貴だけがずっと好きだったよ。中学の時から、ずっと」
「中学の時って、いつ」
「ほら、瑞貴一回だけ彼女出来た事あったじゃん」
「あぁ、あれ……なんで、あの時から?」
「何でだろうね。
瑞貴に彼女出来てから、あんまり話しかけに行かないようにしてたんだけど
あの子と話してるとこ見てたら、胸が苦しくなって悪い事ばっか考えて
あの子に嫉妬してたって気づいた。
それと同時に、瑞貴が好きなんだって」
そんな前から、俺の事を?
全然気づかなかった、綾がそんな気遣いや思いをしてたなんて。
頬を優しく撫でられ、擦り寄ってみる。指先で耳を撫でられ、声が漏れる。
「それに、ほら」
「っ」
頭をぐいっ、と胸元に寄せられる。耳元に、綾の心臓の音が聞こえた。
その鼓動の速さは通常より速く、余裕が無い。
「俺だって、いつもこんなんだよ。瑞貴に触ると余裕が無くなる」
「綾……」
「ちゃんと、今の俺を見て?今もずっと、好きなのは瑞貴だけだから」
「んっ……うんっ」
そっか、不安になる必要なんて無かった。
綾はずっと俺を好きでいてくれて、俺だけを見てくれてた。
一人で不安になって、辛くなって。
綾の背中に手を回し、ぎゅっと抱きしめる。
「綾、好き……」
「うん、俺も」
今日も、俺たちは一つの布団で二人寝た。
色々あって、怖かったり痛かったり泣いたりしたけど、綾となら何があっても乗り越える。
とても、幸せだった。
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