アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
2
-
ーー
「おーい、水島〜」
後日。休み時間、クラスのやつに呼ばれて振り返る。
「あ、なに?」
「あっち、藤月来てるべー」
クラスメイトは言いながら教室後方のドア側指差した。俺はガタンと席を立って、こちらを見る幼馴染の元へと向かう。
なんかあったっけ?
「なにー?」
「なにーじゃない。アホか、今日数学あるんじゃないのか」
「え?」
それにキョトンとした顔をすると、はぁと膨大なため息を吐く至。それから、見覚えのあるノートを目の前に差し出された。
ーあ!
「これ」
俺はそこでようやく数学のノートを至の家に置きわすれていたのだと気づく。
そういえば昨日至に数学を聞こうとして家に行ってて、けど至が部屋でてった後結局そのままずっと寝ちゃって、夜至にしつこく起こされて、慌てて家に帰ったんだっけ。
すっかり忘れてた。
「悪い悪い、まさか忘れるなんて」
「…何がまさかだよ、気ぃつけろよ。な」
そんだけだから、と言い残すと、幼馴染はそそくさとその場を去っていった。
俺もアホだなぁ…はは。
「なぁお前らって、」
「え?」
すると、自分の席へ着くなり近くの席の友人にそう声をかけられ、俺はノートをペラペラ捲りながら聞き返す。
「知ってんの?周りから、お前らホモって囁かれてんの」
「ー。…へ」
それは中学時代から、言われていたことだった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
4 / 326