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「俺、普通に女の子好きなんだけどな」
「なに?急に」
至の部屋でゴロゴロとしながら言うと、本を読んでいた至が振り向いて口を開く。
「だって、俺ら騒がれてるし」
「あぁ…ホモって。よく言われるよな、昔から」
そう言う至はとても落ち着いていた。
ま、まあ確かに、今更…て言葉だし、俺らも言われ慣れてる部分はあるのかもしれない。
ーけど、
「その反応って、どうよ!?」
俺らってなんか、普通より変な気もする。
「…なんだよ、お前はさっきから」
かったるそうに眉間にシワを寄せる幼馴染に、俺はムッと唇を尖らせる。
「大体あれなんだよ、俺らどっちもフリーだからそういう噂広がるんじゃん?普通はこう、彼女とかいるって、友達に聞いた、最近」
「…。」
「でも、俺別に彼女欲しいとか特に思ったことないから、お前作れよ。な?」
「…はぁ?」
…あれ。なんか、やっぱ、おかしい…?
「俺、特に周りに気になる子もいないし、それなのに無理矢理彼女作ろうなんて思わないよ。今は、友達とか、お前といる方が、楽しいし。」
ーどき
…て、ん? 何故今心臓が跳ねる必要が…?
「だ、だよなぁ〜!俺も、実際お前といる方がすげぇ楽だし、居心地いーの!!だからかな、彼女欲しいって思えねーの!」
あははと笑ってそう言うと、至はこちらを見てから、すぐに本に目を移した。
「じゃあ、…いーじゃん。」
いつもの素っ気ない、無表情な至の一言。
何も意味はない。それは、ただ単に、俺といると楽で、楽しいからで。
そうだ、それは当たり前だ。俺たちは親友で、仲が良くて、だからこれは別に、変なことじゃないんだ。
…多分、これはごく普通のことー。
それなのに俺は、なんで。
何でこんなに、
…今、
アホみたいに、ドキドキしてんだろ…ー?
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