アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
10
-
祭り場所に着くと、人がごった返していた。
「とりあえず好きなもん買うか〜」
俺はぷらぷらと歩いて、結局フライドポテトを買うことにした。
列の最後尾に並び、ふとよく周りを見渡せば、確かに恋人同士というのは多いとわかった。
周りの奴らは当然のように彼女が欲しいと言う。というか、そればっかり言ってる。
俺は彼女とかいうよりも、ゲームとか、それ以上に楽しい友達がいるし、それに、至といる方が楽しいし。
だけど、これってやっぱおかしいんかな。
特に性欲がないってわけじゃないんだけど…。
可愛いなこの子って、思わないわけでもないんだけど。
…まあ単に、そういう新しい存在を作るのがめんどいってのが一番当てはまる気もするんだけど…俺。
つーか、どうでもいいか。
今はそんなことより希望の大学に入ること、だしな。うん。
「あっ、あのっ!」
ポテトを買って、至たちをキョロキョロと探していると、どこからともなくそんな声がした。
立ち止まって後ろを振り向くと、見たことのあるような気がする女の子が目の前にいた。
「え?」
誰だっけ…。
「あの、話があるんだけど…今、大丈夫…かな」
そわそわした様子の浴衣姿の彼女を見て、俺は目を瞬かせた。
ー
人の少ない辺りまで来ると、彼女は下を向きながら言った。
「…わたし、水島くんのことが好きなんだよねっ!」
「え」
「だから、もし良かったら、付き合わない…かなっ?」
そう早口に言う、彼女の頬は赤かった。
ちら、とこちらを見てくる彼女の目に俺は目を泳がせた。
「あ…えっと、」
「……」
好きって…、
「……ごめん。…俺、彼女とか、そういうの考えたことなくて。」
「…」
「ごめんね。俺、そういうの…よく分かんないんだ」
好きって、何だよ。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
12 / 326