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「お前、最近藤月といねぇな」
体育の時間、バスケットボールをころころ転がしながら座っていると、隣に座る友達が不意に言った。
今は自習時間で、周りは、好き勝手にバドミントンやらバレーやらをしている。
「別に」
「なに。喧嘩か」
バスケットボールを軽くダムダムと手で跳ねさせると、俺はふぅと小さく息を吐いた。
喧嘩っていうか…、
「だって、よく考えてみれば、あいつって俺の話聞いてばっかだもん」
「ーは?」
そーいう奴って思ってたけど。
なんて言うか、思えばあいつから俺に何か言ってきたことあったっけ。
必要最低限なこととか、ノート忘れてたとか、…そんなんではあるけど…。
……いや、
…普通にあるか、…俺に遊び誘ってきたこと。
俺がその時課題やらゲームやらで忙しくて、しばらく至と色々時間帯も合わなくて会ったりすることもなかなか無くて。
一週間は全然あいつと会ってなくて。
そしたらそんな時ふとあいつから、遊ばない?ってラインが来たんだっけ…。
あいつは仏頂面だけど、聞き上手だからか、周りから好かれるタイプだし、誘わなくても遊び相手は勝手にできる。
対して、俺はいろんな奴と割と仲良いつもりだけど、どれも浅くて広い関係だし、自分のことは話すけど向こうの話なんて基本どーでもいい。
俺は至みたいに優しい接し方なんて、全員平等になんて、しない。
だって、めんどくせーじゃん。
俺と至は違うよ。根本的に、俺らは両極端。
俺は立ち上がって、目の前にあった空いていたバスケットゴールに向かってボールを放った。
「…ま、お前と藤月って、どっちかってーとお前が一方的に藤月大好き〜って、…側だもんな。」
ボールは俺の手から離れると、何の音もなく網に入り、そのままだんっ…と、ゴールを抜けると、体育館の床の上に強く叩きつけられ跳ねたー。
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