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「え、振ったん!?」
「なんで?普通に可愛いじゃん、意味わかんねぇ」
勝手に人の話で盛り上がる連中に俺は息を吐いて、ジュースを飲んでから、席を立った。
「あ、おい。逃げんの?」
「違うけど…、ちょっと涼みに」
逃げんの…って。
あのままずっとあの場にいれって言うのかよ、鬼畜…。
告白した子だって、すぐそばにいるっつうのに…。クラス会だっつうのに。
その店にはちょっとしたベランダのような場所があったから、俺はそこの扉を開けて外へと出た。
雪はまだ振ってて案の定すごく寒かったけど、騒がしい店内より静寂なこの場はホッとした。
吐く息が白い。
ちらっと、透明な窓でここからでも中の様子が見える仕様だったから、俺は中を覗いて隣クラスを見た。
もう、集まってから、2時間は経とうとしている。
それなのにあいつは、未だに姿を現さない。何かあったかな。でも、ラインをしても、返事は返らない。
どこで、…何をしてる?
「ずっと、好きだったんだけど…」
ビク
すると、いつの間にいたのか、少し離れた場所で、告白をしてる男女が見えた。
あれ、…嘘、ここって、そういう場?
何も考えずに1人でにベランダに来てしまった俺は今更中にも戻り辛く携帯をしばしつつく。
少しすると、視界の片隅で、男女が室内に入っていくのが見えた。
見ると、2人が嬉しそうに幸せそうに笑ってるのが見えて、周りの奴らが2人を茶化す様子が分かった。
カップル誕生〜…ってやつ、か。
告白、うまくいったんだ。
「おめでとう〜」
ぼそっとそう呟いた俺の声は、周りの雑音に紛れて消えていった。
「水島くん」
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