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結局クリスマスイブの日…ー
あの日、結局至が家に帰ることはなかった。その次のクリスマスの日も、至の母親に聞いた話では、夜遅くに家に帰ってきたらしい。
何かあったのかとも思ったけど、至の母親はそんなふうでもなく。
聞けば、クリスマスイブの日は友達の家に泊まると言っていた、と、至の母親は言っていて。だから次の日もその友達と遊んでて遅くなったのではないか…と、至の母親は話していた。
…だけど、俺は明らかにおかしいと思った。
だって、俺には何も言わず、俺の電話には1つも出ず…。
だって、クリスマスイブはクラスの奴らとどーのって言ってたじゃん。
また明日って言ったら、ああって言ったじゃん。
そもそも外泊なんて、…急に、俺を差し置いて、俺には何も言わず他の奴と泊まるだなんて。
あいつは確かに友達たくさんいるけど、でも、外泊なんて、友達の家になんて、今までしたことあったか?…こんなの絶対、なんかおかしい…ー。
俺はどうにも、腑に落ちなかった。
ーー
「もうすぐ今年も終わるわねぇ〜」
テレビを見ながら、ふと母さんが言った。
あれから、至に会いに行ける日はいつでもあるというのに、何と無く気まずくて…俺はまだ、至に会えていない。
至のことを好きだと自覚した途端に至が外泊なんてするから、何だかそっちの方が気になって俺はモヤモヤとしていた。
「あら、そうだわ。大晦日のお蕎麦買わなくちゃいけない」
「あ、てゆうか母さん、俺腹減ったし蕎麦今食いたいんだけど」
「ー春、あんたはいつまでもこんなとこいないでさっさと部屋行って受験勉強しなさいっ」
……ひでー。
ちょっと蕎麦食いたいだけだったのに…、勉強ね、すればいいんだろう、すれば。
ばっとそのまま勢いよく立ち上がると、俺はリビングを出ようとして、その時ふと何と無く頭がくらっとした気がした。
…あれ、なんかいつにも増して頭がぼうっとするな。普段も眠いからこんなもんなんだけど。
ああ、この部屋があったかすぎんのか。
…ああ、なるほど。
馬鹿みたいにヒーター焚いて、馬鹿みたいに年末気分の弟はつまんなそーなゲームして笑って………、
………あぁ、…だめだ…、
…なんか俺、倒れ…る……ー?
ーバタッ
「…あ、え?!兄ちゃん…!?死んだ?!?」
………勝手に殺すな……。
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