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俺はその後、無事希望大学の受験を合格。
もちろん、幼馴染の至も無事合格を果たした。
とりあえずは安心…かな。
卒業式の日を迎え、俺たち3年はようやく学修を終えた。
卒業証書やらを手に、靴箱へと向かうと、ふと自分の靴箱の上の棚の方に見知らぬ何かの箱を見つけて俺は疑問に思ってそれを手に取る。
…これはなんだろう?ラッピングがしてある…。
「何それ、もしかしてチョコ?」
すると、ちょうどその時横にやってきた友人にそう言われて、俺は手に持つ箱を凝視する。
チョコ?…何故。
「いや、誰かの忘れ物とかかな」
「はあ?ばっっかかお前っ!何でそういう考えになる。どう考えてもお前宛だろーがっ」
だって、何でチョコを渡す相手が俺なのか意味がわからない。
「まあ、バレンタインの日は登校日じゃなかったし、あげるなら今日しかなかったんだろうな。お前顔いーから羨ましいよ」
手をヒラヒラとさせて言う友人に、俺は目を瞬かせる。
「…。…俺ってかっこいいの?」
「うん。お前さぁ、それ本気で言ってたとしても異常だしムカつくから今すぐシバいていいかなぁ」
…なんて言うか、女の子って見る目ないなぁ。
俺が女の子なら、迷いなく至を彼氏にするのに。
背も高いし無口だしさぁ、超理想の彼氏像って感じじゃん。加えて優しいし気も利くし母親思いだし…。
友達もいて、頭も割りかし良いんだぜ、たまに笑うとすごいどきってするしさー、ときめくしさ〜。
ー〝ーー春〟
…名前呼ばれると、そんだけで嬉しいとか、勢いよく振り向いちゃったりとかしてさ。
急に2人の空間で見つめられると、何だろうって期待したりすんの、馬鹿みたいに。
自分より他人を優先するし、電車は絶対お年寄りに譲るし、俺が誰かの悪口言っててもあいつは、そうか、て頷くことしかしねぇの。
便乗して罵ったりしないんだぜ、流されることはよくあるみたいだけど、それでも他人を悪く思ったりはしないんだぜ…。
でも、俺は違うよ。
他人より自分、俺は昔から、自分自分人間だもん。
俺は至とは違うよ…、
全然。
だけどさ、
「至っ、」
もし俺が、
「ーえ?」
俺がお前に、好きって言ったらどうする…ー?
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