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家を、出る……ー?
それは、どういうことだ……、
何で、こんな、急に…。
「…そんな話、俺、聞いてない。」
「…ああ。今、初めて言ったから」
聞いてない、聞いてねぇ……。
「大学がそうした方が近いんだ。母さんには悪いけど、もう了承は得て」
「ー俺の了承は…!!」
気づいたら、至の服を掴んでそう叫んでた。
至がいなくなるなんて…、全然考えられなかったから。
そばにいなくなるなんて、考えられなかったからー。
「大学は、仕方ないなって思ったよ……お前と俺の頭じゃ出来が違うし、お前の行きたいとこなんだろうなって思ったからッ」
「春、」
「けど、何だよ…っっ!今度は一人暮らし!?何でお前は…っっ、お前は…っ!」
何でお前は、どんどん俺から離れていこうとする!?
俺が、お前に…、何かしたのかよ!!
何で俺に、何の相談も無しでそんな大事なこと、簡単に決めんだよ…!!
何でだよ…!!ー何でだよ…ッ!!
「…行くな……」
……嫌だ、こんなの絶対認めたくねぇ。
ぎゅっと至の服を強く掴み、俺は俯いた。もういい、恥ずかしいなんてどうでもいい、もう、どうにでもなればいい。
「…春、」
「…俺は離す気ないし、お前から離れる気もないっ!ざけんなこの野郎っっ!!舐めんな…!!」
許さない、俺から離れるなんて、絶対…ーー
「…春、一旦家に帰って話そう。ごめん、こんなとこでする話じゃなかった。」
至の言葉に、俺は俯いた瞳から、地面へと向かってポタポタと涙を落とした。
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