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「え、兄ちゃん?」
びくっ
唐突に聞こえたその声にハッとして顔を上げると、至の後ろに今帰ってきた様子の弟の姿が見えた。
…な、…なんだってこのタイミングでコイツが…っ!
「あれ?至だ。」
しかもこいつは至を呼び捨てか…っ!毎回毎回思うがこいつはいくら俺の友達だからって顔馴染みだからって、いくらなんでも容易く歳上の奴をタメで呼びすぎだ…っ!
湊くんを見習え、としか言えないッ。
「…ああ、どうも」
だーー!ダメだッ、そんで至も至で、毎回こんなゆるい感じだし全然ダメだししないし甘いしさーっ!!もう〜…ッ!
「つぅか、2人でこんなとこで何やってんの?兄ちゃん何で家入んないの?」
頭をワシャワシャさせていると、弟のそんな言葉にまたハッとする俺。
いかん、コイツに俺と至ができてるなんてバレたら、…面倒臭いことになる、確実に。
それ抜きにしても普通にヤバイし。男同士だし。
「ああ、まあちょっとな。じ、じゃあな、至」
とりあえず平静を装ってヒラヒラと手を振って至と別れると、俺は至の姿がなくなってから、はぁと安堵した。
…もしこれで今何か変なことしてたら終わってたな。それが見つかってたらと思うと…ほんと怖い。はぁ。
「つーか、男2人で夜に会うなよな。まーじでキモ」
…これだからなぁ。
「夜って、別にそんな、夜遅くではないだろ。それよりお前、今日どっか寄ってたのか」
「ああ、まあ〜」
…とにかく、弟には絶対バレないようにしなければ。もちろん家族には全員、だけど。
ー
お風呂から上がると、至からラインが来てた。
何だろ…
開くと、〝返事聞きそびれたんだけど、結局、俺と付き合ってくれる?〟と、あった。
…なんかこう、…むず痒い感覚。
…当たり前じゃん。
そう思ったことをそのまま送ると、嬉しい、と返ってきた。
俺は頬を紅潮させてその文字を見つめる。
わからない。何で急にこんなに至に対して一々ドキドキしてしまうのか。
それは多分、至が普段しないようなことや、言わないことを言ってくるからで、
…でも、昔から特に至にドキドキしなかったってこともない。
無駄に、親友なはずなのに、俺は変な気持ち抱いてたんだと思う。
てゆうか、
「…至がそんなに俺のこと好きとか…、……ぜんぜん知らねーじゃん……」
俺はベッドの上にどさっと体を落として、自分にしか聞こえないほどの小さな声でそう呟いた。
今日はずっと、体が火照る。
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