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家に帰ってラインで至にその事を報告すると、至から、良かったじゃんと返ってきた。
うん、うん…!俺も、すごくそう思うよ!!
それから、そう言えば至の方はどうなんだろうと思って大学どう?と送ると、まあ普通にやってるよ。と返ってきた。
…なんていうか、至は何もしなくても勝手にうるさい奴が周りに寄るからなぁ。
やっぱ、聞き上手だからかなあ。
それからいくらかやり取りをしていると、来週の日曜会わない?と至からそんな文章が送られてきた。
俺は笑って、それに、会う!と返した。
来週は至に会える。
俺は大学へ通い、楓と大抵の授業を過ごしながらひっそりと思い、胸を高鳴らせていた。
「あっ」
お昼休み、携帯のロック画面上に至からのラインが表示され、俺は箸を止めて携帯を手に取る。
〝今、何もないとこで躓きかけた。まじこわい〟
至のそんなくだらない文面に、俺は自然と口角を上げた。
至は昔から、何もないとこで躓いたりする。割としっかりしてるのに変なとこ抜けてるから、周りはそれにいつも驚くんだ。
俺は、もうずっと前から知ってることだけど。
「よくライン来るよな。」
「へ?」
ラーメンを食べていると、横からそんな声がして俺は振り向く。
「至…だっけ?よくライン来てるから覚えた」
無表情に言う楓の言葉に、俺は少し目を瞬かせる。
「うーん…そんなよく来てるかなあ」
「いや来てるよ、てゆか毎日来てるだろ」
楓に言われて、ああ、確かに…と俺は思う。
でも、それを特に気にしたこともないからか、よく来ると言われて何と返せばいいか分からず俺は少し悩んだ。
「まあ、幼馴染…だからなぁ俺ら」
「幼馴染?」
ぽつりと言ったセリフに、楓はそう聞き返した。
「ーそ。小学校の時からの仲で、今でもずっと仲が良くて」
「…小学生から?」
「まあ…。え、なんか変?かな?」
驚くような楓の声に思わずそう俺が尋ねると、いや…と楓は頭を触った。
「…変じゃないけど」
何となくそこで終わろうとする楓を、俺はなに?と言って引き止める。
すると、うーんと楓は唸った。
「すごい仲良いんだなってのは、分かった。…ただ、幼馴染だからってそんな毎日付き合いたての彼氏彼女みたいに一々やりとりすんだな…って、思っただけ」
楓の恐らく何気ないだろうその一言に、俺は、ドクンと心臓が鳴るのを感じた。
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