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家に帰ってから、俺は携帯を取り出した。
ー謝ろう。
何が原因で怒らせたのかよく分かってないけど、多分俺が楓の家でゲームする…つったら怒った…のだと思う。…多分。
楓が、もしかして俺に何かするとでも思ってんのかな。
それとも単に他の奴の家に行かれるのが嫌…?
至の嫉妬…なのかな。
なんか、複雑だな。嫉妬されて嬉しいだけなのかと思えば、そうじゃない。
あいつに信用されてないんじゃないかなって思って、…ちょっとショック。
そもそも楓にも失礼だ、どいつもこいつもそう、ホモがうようよいるわけじゃないってのに。
至は、心配性なのかな…ー。
「…えっと…今日は悪かった、…また今度そっちに、行く、」
声に出しながらラインを打っていると、ふと今日言った自分の言葉を思い出した。
ー〝お前だって、友だちの家っつって、クリスマスイブの日、俺には何も言わずに…友達の家、泊まったくせに!〟
別に、…全然言おうとしてなかったセリフ。
それに特に日頃気にしていたつもりもなかった事だったのに、
あんなふうに口から出てくるってことは俺は、もしかしたら今でもまだずっと…、あの日のことを強く根に持ってるのかな…ー。
俺より、違う友達を優先した至に…ー。
ーいや、こんなこと考えるのはやめよう。
終わった話だ。ただ、クリスマスイブの日、俺と至は会わなかった、それだけの話だ。
それにそうだ、あの日は別に会おうと互いに約束していたわけでもない。
俺と至が会うのは、ついでのようなものだったんだから…。
そうだ、そうなんだから…。
「…大丈夫、俺は全然、なにも、気にしてないっ」
俺はその後、至から来た、
〝俺の方こそごめん、本当に。今度、俺がそっちに行く。今日は本当に…悪かった。〟
というラインを見て、やった、ありがとう!楽しみ!!と、俺は返し、笑顔を浮かべたスタンプを送るのだった。
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