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次の日から再び俺は大学へ通い始めた。
俺は楓と基本的に行動しながら、退屈な授業や面倒な授業を聞いて、お昼は2人で大好きなゲームの話で盛り上がって、夕方ごろ帰宅する。
そんな毎日を過ごしていて、そうしてふと思ったのは、
「…バイト、した方がいいかなぁ」
俺は自分のベッドにごろんと寝転がりながらそう思った。
普通、一般的な大学生は皆バイトをして、それで自分の好きなものや趣味のものを買うらしい。
俺も特に、いま特別欲しい!…てのがあるわけではないんだけど、でもサークルも別に入ってないし、放課後何かあるってわけでもないしはっきり言って暇だ。
それより何より、周りがやっていることを今の自分がやっていないのかと思うと何となく取り残されたような気分で、単にそれが俺は嫌なのだ。
…そういえば至もするって言ってたしなぁ。
面倒そうだけど、やるかぁ…。
俺は携帯を出して、近くでバイトができそうな場所を探した。
ー
「じゃあ、俺のとこ来るか?」
翌日、大学へ行って、昨日色々と探したけどいい感じのバイト先がなかった…と俺は楓に呟くと、唐突にそう楓は言った。
てゆうか、
「か、楓、バイトしてんの…っ?」
割と驚いて楓を見ると、楓は無表情にああ、と頷く。
「最新作のゲームが今年出るんだ。その為にな」
サラッとそう言った楓を見て、俺は、おお…と楓のゲーム魂に深く頷いた。
「俺のとこ割と楽だと思うよ。中古店でさ、ゲームとか本とか、客に売られたり買われたりすんのを会計するだけ」
だけってのもちょっと違うかもだけど、そう続けて言う楓の言葉に、俺はうんうんと頷いた。
「…よく分かんないけど、多分楓と一緒ならやってけそうな気するし、…うん、俺もそこに行くよッ!」
小さくガッツポーズをして顔を輝かせて言うと、楓はちょっとだけ俺を見て笑った。
それからその日ちょうどバイトだという楓に連れられて、俺も楓のバイト先へと向かった。
場所は大学から電車に乗って数十分のところにある有名な本屋の店で、俺たちが働く中古店はそこの二階にあるらしい。
「じゃあ俺、店長に話してくるし」
中古店まで来ると、楓はそう言って小走りに店のカウンターの中へと入っていった。
なんていうか、…楓って頼もしいなあ…っ!!
しみじみとそう思いながら近くにある本を見ていると、俺は楓に呼ばれて店長という人に会った。
そのまますぐ面接をしたけれど、人員も足りていなかったからか、俺はすぐに通った。
俺、そういう本の知識ゼロって言ったんだけどなぁ…そんなもんなのかな。
そう言って首をかしげると、いや、お前の場合…。と、そこまで言って楓は止めた。
なに?と聞こうとすると、楓は店長さんに呼ばれて店の奥へと入ってしまった。
そういえば楓はバイトなんだっけ…。
俺は楓に笑って別れを告げて、1人その後帰路へと着いた。
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