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ー翌日、俺はいつも通り大学へ行くと、いつも通り楓に会って、いつも通り講義を受けた。
何というか、幸せだ……こう、全てがハッピーに感じられるぜ…このストラップ一つで…はあ。
てか俺、至のこと好き過ぎな…っ!絶対っ!
俺はあれか、恋する乙女かッ。
ダメだ俺、しっかりしろ!ホモはホモでも、男で好きなのは至だけなんだからっっ絶対変な方向には走るなよ、自分っ!
「そのストラップ、」
ギク
…まて。
さ、早速楓に指摘されたんですけどぉーーー…ッ!?
「…なあ、何その退け方。」
「な、ななな何かな。俺のストラップに一体何の用事かな?」
「……いや……お前、何なの。」
「!」
な、何なのって、…何なのって!!ちょ、直球に質問されたんですけどーーー…っ!?
「…こ、これはっ、俺の大切な物なんだ、楓っ」
「…はあ?お前急に何言ってんの…?てか聞いてないよ別に…意味不明だなぁお前は…」
「…が、いくら友達の楓にも誰から貰ったかは言えない。これは、俺のすごく大切で大事な人から貰った、たいっせつなストラップなんだ…!!」
「…」
すると、俺を見て、ふと押し黙る楓を見て俺はほっと安堵の息をつく。
良かった、まさかの指摘を急にされて更に何なのかと質問されてかなり焦って驚いた俺だったが…、ギリギリ何とか交わせたようだ……ふぅ、俺ってすごい。
「何かよくわかんないけど、至から貰った物なんだな。」
うん、そうそうそう……。
ーって、え…?!?
「何でそれを…っ!?」
「……。」
楓は俺の質問には答えず、何故かサッと席を立ってしまった。
「か、楓どこに」
「トイレ」
…あ〜トイレ。
スタスタと去って行く楓を見送って、俺はふうと心を落ち着けて、ストラップを手に取って触る。
ー〝離れてても、これ見たら思い出すってか…〟
「ふはっ」
思わず思い出したセリフに吹き出すと、周りにいたヤツに少し変な目で見られてしまった。
…いかんいかん。面白くてもおかしくても抑えなければ。
それからじーとストラップを見ていると、本当に自然に至が頭に思い浮かんだ。
照れながら俺に色々言おうとしてる至が目に浮かんで、俺はまた吹きそうになる口を抑える。
どんな顔して、どんなことを思って、これを買いに行ったのかな、至は。
俺のことを思って買ってくれたって事実が、何よりも嬉しいんだってこと、至は分かってんのかな…ー。
…って、俺今また乙女思考入ってなかった…?
ダメだって、俺一応男なんだから…もっとしっかり…
「ー見つけた。」
と、不意に聞き覚えのある声がして俺は何の考えもなしに能天気に振り向いて、それから俺はぱっとすぐに顔を前に戻して、青ざめた。
……忘れてた、
そういえばここには、ーあいつがいるんだった…!!
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