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追われていたレポートや、試験も無事終わって、俺たちはその後、長い長い夏休み期間へと入った。
「えー…と」
俺はカレンダーを見つめ、次の大学までの日にちを数えながらひえ〜…と微かに声を出した。
大学の夏休みって…思ったよりめちゃくちゃなげぇ…。
まあゲームもできるし、いいんだけどさ…。
そうしてふと、8月のカレンダーを見ていると俺は夏祭りのことを思い出す。
至に以前、夏祭りはいつ行くかと聞くと、12日と返ってきてた。
それから俺は湊くんに、13日行けるよと言うと、湊くんはそれを快く了承してくれた。
俺は部屋に掛けてあるカレンダーに、12日の方に、夏祭り・至、と書き、13日の方に夏祭り・湊くんと記載した。
書いてみて思ったけれど、これなんか変かな…。
至は俺の幼馴染で、だけど俺と恋人同士であって…。湊くんは至の弟。俺と仲は良いし、至と湊くんは兄弟だし当たり前だけど仲良いし…。
もしかして至と湊くんと3人で…ての方が良いのかと思ったけど、だって俺ら、一応恋人なのに…そこに弟の湊くんがいるとやっぱあれだろうし…。
やっぱ分けた日に別々に行くのがいいと思ってこんなふうになったけど、なんかこれじゃまるで俺すごい気が多い奴みたいな感じになってねぇ?…ていうか…
…いや、でも湊くんは至の弟だし。
別に浮気とかじゃないし。湊くんが俺を誘ってきたのは、多分もっとただ親睦を深めて俺と仲良くなりたかったって意味だと思うし…変な意味では勿論なく。
そこまで悶々と考えて、はあ、と俺は混乱する思考を一度停止させる。
多分こんな考えなくてもいいことだと思うんだよな…これ。
カレンダーに書いたら、ちょっと変かなって急に思っただけで…。
でも何となく、至には湊くんと次の日祭りに行くことは言えてないんだけど…さ。
……。
ーーって、だあ〜〜ッッもう…っっ!!!
「〜とにかく…、12は至、13は湊くん…!」
なんか、考えるの面倒くさくなってきた…。
つか、俺はカレンダー前で数分間立って一体何してんだ…ッッアホか!
ていうか、もし湊くんと祭りに行ったって、違う奴と祭りに行ってたって、至は向こうにすぐ帰っちゃうんだから、そんなの全然、…考えたって意味ねーじゃん。
俺が誰と笑ってたって、人の家行ったって、
……あいつは、俺の側には、俺の近くには、
どうせ…いないんだからさ…ー。
俺は携帯に付けてあるストラップを見て、軽くキッと睨みつけ、部屋を出るのだった。
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