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「んっ…」
『赤司君!?』
「テツナ…」
赤司が目を覚ましテツナは赤司の顔を覗き込む
『よかった…今緑間君を呼びますね』
テツナはナースコールを押そうとする
「呼ばなくていい…」
『でも…』
赤司はゆっくりと体を起こす
テツナは咄嗟に体を支え起きるのを手伝った
体を動かすと痛いのか赤司の顔が険しくなる
『痛いですよね…』
「気にする…テツナが受けたていた痛みに比べたらこんなのかすり傷だ」
『そんな事ないです!赤司君の方が痛かったはずです!』
「テツナは?痛くないか?」
赤司の手が殴られて腫れた頬を優しく撫でる
『大丈夫です…こんなの…』
赤司の指がテツナの目尻をなぞる
「すまない…俺の為にたくさん泣いたんだろ?目が腫れてる…」
『なんで貴方が謝るんですか…』
テツナの目から涙が溢れ出す
「あの時もこんな風にお前を泣かせてしまったな…」
『あの時?あっ…』
テツナは赤司が言ったあの時がいつなのか気づいた
赤司がアメリカに行く日…
赤司に別れを告げられた日の事だ…
「あの時の俺はお前の為だと思って別れを告げた…」
『えっ…』
「アメリカと日本…いつでも帰って来れる距離じゃない…高校の頃だって京都と東京でなかなか会えなくてお前を悲しませていた。だから俺なんかじゃなくテツナの傍にいられるヤツの方が幸せになれるんじゃないかと思ったんだ。だから別れようと言ったんだ」
赤司の本当の気持ちを聞いてテツナは驚きを隠せない
「お前を忘れようと俺はひたすら勉強に励んだ。日本に帰ればお前に会うかもしれない…だから大学を卒業後アメリカに残り父親の会社の手伝いをした。別れて数年経ってもお前の事が忘れられなかった…でもそんなある日お前が結婚した事を聞いたんだ…正直ショックだったよ。お前の中に俺はもういないんだと思った。数ヶ月前に日本での仕事を任され帰国することになった…お前が結婚したと聞いていたが俺はまだお前の事が忘れられなかった。だからちゃんとこの目で見てお前が幸せなら諦めようと思ったんだ。それで同窓会に参加した」
テツナは赤司を見つめたまま何も言えなかった
そんなテツナを赤司は優しく抱きしめる
「お前がボロボロになった姿を見て思ったんだ… テツナは幸せじゃない…俺はテツナをキズつけたりしない…だから…もう一度俺にチャンスをくれないか?」
テツナの体が小刻みに震え出す
『赤司君は勝手です…いつも自分の思い通りになると思ってる…』
「テツナ…」
『私はどんなに離れていても…それでもキミと別れたくなかったです。私だってずっとキミが忘れられませんでした…でもキミは私なんかと違ってかっこいいしお金持ちだから直ぐに女の人だって出来ると思って…祐也さんと出会ってこの人ならキミを忘れさせてくれるって思って結婚しました…でも彼の暴力が始まってから頭に浮かぶのはキミの顔ばかり…』
泣きながら話すテツナに赤司はキスをし唇を塞ぐ
「ごめん…すまなかったテツナ…俺がお前の為にと思ってやった事はただの自己満だった…お前をキズつけてしまった…でも、もうお前を手放したくないんだ。俺と一緒にもう一度やり直して欲しい…テツナを幸せに出来るのは俺だけだ…と思う…」
『フフフッ…なんで急に自信なさげなんですか?』
テツナの顔に笑顔が戻る
「言ってる事とやってる事が矛盾していたから仕方ないだろ」
そう言って赤司はガラにもなく顔を赤くさせる
『私ももう一度やり直したいです。キミと一緒に…』
「テツナ…ありがとう…」
赤司はテツナをギュッと抱きしめた
テツナも赤司の背中に腕を回す
「好きだ…テツナを愛している」
『私も征君が好きです…愛しています…』
2人は微笑み合いキスをした
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