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「…ならない!家族なんていらない…!!」
思い切り首を振る。
「えー?翔が言ったのに…。『ゆーやのおよめさんになる!』って」
これが事故に遭って、記憶もない俺を入院中も甲斐甲斐しく面倒を見て、退院した俺を引き取った理由らしい。
幼い頃、俺が雄哉のお嫁さんになると言ったからこんな俺を引き取ってくれた。
というのは冗談半分で(と思っている)
俺のお兄ちゃんと雄哉と勇輝くんは親友だったから。
だからその友情の絆の強さで俺を引き取ってくれたのかな、と勝手に思っている。
なぜ雄哉が俺を引き取ってくれたのか、
その真意は俺にはわからない。
事故のことや両親のことやお兄ちゃんのことは、
月一回カウンセリングしてくれる心療内科の鈴木先生から、すべて教えてもらった。
お嫁さんにしてって翔が言ったんだから、とはよく雄哉は言うけど、事故のことや家族のことや俺の過去のことなどは、雄哉や勇輝くんから一度も聞いたことはない。
きっと気を遣ってもらっているのだろう。
「プリンも食べ終わったし、サンドイッチも食べ終わったらコンビニ行くか?」
雄哉が何もなかったように聞く。
「うん…」
だから、俺も何もなかったように頷くことができる。
入院していた時も雄哉が毎日コンビニに連れていってくれた。
それは今も続いている。
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