アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
34
-
「では、今日はこれでお帰りになられて結構です。お疲れさまでした」
「ありがとうございました!」
「…ありがとうございました」
「あ、翔くん、無理しちゃいけないよ。鈴木先生が耐えられなくなったら遠慮なく担当を変えてもらったらいいよ。鈴木先生も基本的にアホだから」
「…アホ…?」
聞きなれない言葉で俺もオウム返しをしてしまう。
鈴木先生も…、ってさりげなく言ってのける沢井先生は無敵だ。
多分、そのアホに雄哉も含まれている。
「僕は翔くんのことが好きだから、僕は好きな子には優しくしたいタイプだけど、あのアホの鈴木先生は好きな子ほど痛いことを突く人間だから。だから心療内科に向いているのか、向いてないのか…。あのアホの鈴木先生に耐えられなくなったらいつでも言ってね。僕でもいいよ。でも僕に言うより雄哉くんの方が早いかな?」
俺は雄哉を見るけど、ただ鼻で笑うだけ。
それがどんな意味なのか俺にはわからない。
俺はこれからの鈴木先生のことを思うと、自然と小さくため息が出てしまう。
「でも忘れないでね。僕も鈴木先生も翔くんの味方だってこと。翔くん、いつだって無理は禁物だよ」
俺は沢井先生の言葉に小さく頷いて、もう一回お礼を言って診察室を出た。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
41 / 344