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ゲーセンにいる時よりも呼吸もしやすいし、聞こえやすくなっている。
「なら良かった。呼吸も大分落ち着いてきたし」
雄哉は寝ている俺の頭を撫で続ける。
それが心地よくて目を閉じた。
俺が目を閉じたのを確かめてから、雄哉が天井を見上げて、俺に聞こえないように静かに息を吐いたのを俺は知らない。
それからしばらくして雄哉が俺に声を掛ける。
「あ、ハーブティーがある。翔、飲めそう?」
そういつもと変わらないトーンで言うから、普段ハーブティーなんて飲まないけどつい頷いてしまう。
雄哉は、俺が作ってあげるからまだ寝てて、
と言って個室の端に置いてあるハーブティーのティーバッグを手に取り、ポットでお湯を注ぐ。
俺には背を向けている雄哉。
だから気づきもしなかった。
「ハーブティーにはリラックス効果があるから、マッサージ店にあるんだろうな…」
雄哉はそんなことを言いながら、俺を起こしてハーブティーの入ったマグカップを渡してくれる。
「ありがとう…」
「どういたしまして。熱いから気をつけて」
雄哉はほんの少しだけ切なそうな表情をしたけど、
俺は気にせずマグカップに口をつける。
「美味しい?」
「うん…」
「そう。なら良かった…」
そう呟いた雄哉の声がとても小さい。
「…?」
ハーブティーをすべて飲み干したところで急激な眠気が襲ってきた。
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